2026年 03月 20日
96分

台湾で大ヒットを記録した「96分」がようやく日本でも公開になっています。
以前にも書いたのですが、最近、映画館の上映の前にネット配信されるという流れになることが多いのが気になっています。時代の流れだということもよくわかっているのですが、これでは配給会社が上映権を手に入れる意味がなくなってしまうのでは?
私は映画館で映画を観るのが大好きなので、これからも映画はできるだけ映画館で観るようにしたいと思っています。
だから早く観たいという気持ちは抑えて、配信は観ないようにしていました。
映画館に観に来る人ってどのくらいいるかな?と気になっていましたが、私が観た回はまずまずの入りでした。そしてこれは映画館で観る価値のある映画だと思います。
特に爆発シーンが大迫力! 家で小さな画面で一人観るのとはやっぱり違います。
あまりの迫力に、最後の爆破シーンがリアルすぎて思わず声をあげてしまいました。あれはショックが大きかった・・・。
【簡単なあらすじ】
3年前起きた同時爆弾事件。映画館に仕掛けられた爆弾は、爆発物処理班のソン・カンレン(林柏宏)によって解除できましたが、百貨店の爆弾が爆発し、大勢の死傷者が出ました。
台北で犠牲者の3回忌の追悼式が行われた夜、台北から高雄行の高速鉄道は、主催者が手配した乗車券を持った遺族たちも乗車し、ほぼ満席状態でした。
追悼式に出席したカンレンも恋人と母と共にこの列車に乗っていました。彼は3年前の事件の後 精神的に病んで警察を退職し3年間引きこもりの生活を送っていましたが、ようやく結婚式の話を笑いながらできるまでになっていました。
ところが、発車した後で、「この列車に爆弾を仕掛けた」というメールが届いたと元上司である爆発班の隊長(李李仁)も乗っていることを知ります。メールには「列車を止めれば3年前の地獄を見るぞ」とあって、イタズラではないと思った隊長はカンレンにも協力を仰ぎ、車内に不審物がないか調べます。
台北から高雄までの96分間で、台湾新幹線(台湾高速鉄道)に仕掛けられた爆弾を止めることができるかというノンストップアクション映画です。
日本の「新幹線大爆破」と比較していろいろ言ってる人もいるようですが、確かに少し被るところはあるけれど、まったく違うものと言っていいと思います。
(「新幹線大爆破」も見直したのですが、これは大傑作なので機会があったら語りたいと思います)
止まれば爆発するのですが、速度を落とすほど爆発までのタイマーの数字が速く減るという設定。
そして爆弾を仕掛けられたのが1台だけではないということで、3年前の同時爆弾事件との関わりが気になります。
運転士は最後まで登場しませんでした。それから高鐵にも指令センターがあるはずなのですが、そこの動きがまったく描かれなかったのも気になりました。
その代わり、車両の中に運行管理室があって、モニターで他の列車の動きも見えるようになっていました。
速度計算などは、たまたま乗客に物理の先生がいて全幅の信頼を寄せて計算してもらうというちょっとあり得ない展開も。^^;
「新幹線大爆破」のように高速鉄道で働く人々に焦点を当てるのではなく、これはみんなの命を爆弾から守るヒーロー映画でした。
そしてテーマはずっしりと重かったです。
大事故が起きた時、状況によっては全員を救出することができない場合もあります。救出される者、犠牲になる者、何を基準に 誰が決めるのか? 少数を犠牲にし、多数を救うのか? 自分の愛する人が犠牲になる側だった時、残された者は納得できるのか?
運が悪かったという一言で片付けられない葛藤があると思うし、登場人物たちの気持ちも想像できて胸が痛みました。
主人公を演じた林柏宏が精悍でとても素敵でした。推しの許光漢と共演した「僕と幽霊が家族になった件」の幽霊の老公とはまったくの別人。どんな役でもこなしてしまう演技力の高さが林柏宏の魅力です。
相手役が宗芸樺で、婦人警官であり林柏宏の恋人を演じます。私の大好きな映画「私の少女時代」の真心ちゃんだった女優なので思い入れが人一倍あります。もうあれから10年も経ったのですね。
爆弾処理班の班長が、これまた私の大好きな李李仁。(上の写真-右から2人目)
乗客で物理学の塾講師役が芝居に味のある王柏傑(一番左)、その妻役が姚以緹(一番右)。彼女は「鬼才之道」でキャサリンと女幽の道を競い合ってたジェシカと同じ人だなんて信じられません。^^;
その他、お馴染みの李銘忠、鄭志偉、蔡凡熙や、「正港分局」での怪演が光っていた黄奇斌、最後まで出てることに気がつかなかった(いつものこと)巫建和など、善人でも悪人でもオールマイティに演じられる役者ぞろい!誰が犯人でも全然おかしくありません。しかも最近見た台湾ドラマでは李李仁と王柏傑が悪役だったから、私にはすべての人が疑わしい。
これは台湾好きにはたまらない顔ぶれですね。しかも鄭志偉や黄奇斌は台湾語オンリーだったので、台湾語学習中の私としては満足度が高く見応えがありました。
ラストにチラッと映るPCの中の般若の顔はどういう意味だったんでしょうか?
私は、世間に対して強い恨みを抱いている般若は他にもいて、同じような事件がまた起こるに違いないという暗示なのかなと思いました。そして、別な設定で爆弾犯を描いた続編を作るつもりなのかな?と。
パク・チャヌクが言っていた「映画館で最上の状態で観るべき映画を作り続けていきたい」という言葉が思い出されました。台湾もCGの技術がどんどん進化しています。これからも大迫力の画面で私を唸らせてくれるだろうと期待してます。
by choyon
| 2026-03-20 14:29
| 台湾・中国映画(鑑賞順)許光漢除く
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