2026年 03月 01日
カマキリ

最近、ビョン・ソンヒョン監督の「グッドニュース」という映画を観たばかりです。その時、監督が脚本だけ参加した「カマキリ」という映画も同じNetflixで配信されているのを知って、早速観てきました。
始まってすぐに気づきました! これって私が大好きな「キル・ボクスン」のスピンオフ作品じゃないですか!!!
「キル・ボクスン」は何度も繰り返し見るほど好きな映画なのに、「カマキリ」の存在を知らなかったなんて、相変わらず出遅れています。
そしてまた観ちゃった「キル・ボクスン」!笑
何回観てもまったく飽きないおもしろさがあります。何がすばらしいかって、やっぱり映画全体の「テンポ」!
ビョン・ソンヒョン監督が撮る映画は、場面ごとに独特のリズムがあります。
「キル・ボクスン」のアクションシーンはそれほど多くないけれど、撮影、照明、美術、動き、編集、どれもこだわりが感じられて私にとっては完璧なシーンばかり。
「カマキリ」の監督は「キル・ボクスン」で助監督を務めたイ・テソン。
この作品が長編映画監督デビューになるそうです。
なぜビョン・ソンヒョンが自分で撮らなかったのか事情はよくわかりませんが、助監督として監督の側で学んだ人なら間違いないでしょう。このスピンオフ作品にも期待しました。
いきなりキラー業界の「規則」の話題が聞こえてきます。
この「規則」を作ったのがキラー業界トップ企業MKのチャ代表(ソル・ギョング)。これが気にくわないから決闘を申し込もうかという話になり、「あいつに挑むには、キル・ボクスンか、MKのエースで昆虫の名前の・・・誰だっけ?」で、画面にバーン!と
사마귀
(カマキリ)の文字が!もうこの潔さだけで大満足!^^
しかも、まず登場するのはヤン・ドングン(↓)です。
規則のせいで仕事がなくなった「無所属」のキラー兄弟、一人二役。
兄はすでに殺られ、弟はイム・シワンとの一騎打ち!
両手に鎌を持った男に向かって「お前があの有名なバッタだな? いや、カ、カ、カ、カナブン!」(本当は샤마귀に対して샤슴벌레=クワガタと言ってる)で爆笑。
実はわたくし 大のカマキリ好き!「両手に鎌」というだけで興奮度MAX!
イム・シワンのカマキリポーズも決まり、戦いにもリズムがあります。
(ワイヤーアクションはもっと自然に処理できなかったのかな?とちょっとだけ不満)
さすがビョン・ソンヒョン作品の助監督!
このまま「キル・ボクスン」のスピンオフストーリーとしてバンバン飛ばしてほしい!
しかも、ソル・ギョング×イム・シワンですよ!
これって「名もなき野良犬の輪舞=不汗党プランタン」じゃないですか!
ファンには刺さりまくりだと思います。^^;
結果的には、私の期待が大きすぎました・・・・。オープニングが良かったのでこのままのテンポが続くと思ったのですが・・・。
「キル・ボクスン」の映画全体から感じるリズムというのは、やっぱりビョン・ソンヒョン独特のものかもしれません。彼はラッパーだもんね。あれは普通の人には刻めないビートなんだと思います。
でも決しておもしろくなかったわけではありません。
「キル・ボクスン」は、職業が殺し屋であるシングルマザーが娘との関係に悩みながら、自分を育ててくれたMKのチャ代表を超えていくストーリーでした。
今回の「カマキリ」は、キル・ボクスンと並び称される実力を持つ「カマキリ」が、自分の好きな女性との関係に悩み、彼女と手を取り合う関係にはなれないことを悟るまでのストーリーです。
どちらも組織の在り方、会社員としての悲哀まで描かれています。
ネタバレしてます。
冒頭に登場するチャ代表との会話で、MKとの契約がすでに7年になったカマキリが独立を言いだします。彼は自分の好きなジェイという女性キラーと働きたいのです。チャ代表はカマキリの優しすぎる弱点を見抜いていて「お前に独立は無理だ。そんなに言うならジェイと面接しよう」と言ってくれます。
喜ぶカマキリは与えられた休暇を過ごすために海外へ。
※その休暇中に起こった出来事が「キル・ボクスン」で描かれます。
何も知らずに帰国したカマキリは、チャ代表がキル・ボクスンに殺されたことを聞き驚きます。
ジェイをMKに復帰させる絶好のチャンスだったのに、チャ代表がいなくなることで話が流れただけでなく、MKの存続自体も危うくなります。
新しくMKの代表に選ばれたのは、カマキリの育ての親であるトッコ爺。
トッコ爺はかつてチャ代表に決闘を挑み、負けたために引退を余儀なくされていました。
チャ代表がいない今、MKの古株たちを取りまとめることができるのはトッコ爺しかいないと呼び戻されたのです。
余談ですが、「キル・ボクスン」の中でこの二人についてはすでに語られています。
「トッコ爺は引退。カマキリは休暇中」「カマキリもうすぐ復帰」という会話が出てきました。
ということは、「キル・ボクスン」を撮ってる時にはすでに「カマキリ」を主人公にした作品を撮る構想ができていたということですね。
カマキリはジェイの復帰を、今度はトッコ爺に相談します。
カマキリの頭の中はジェイのことでいっぱい。
二人は幼馴染であり、MKの研修生として腕を磨き合ってきたライバルでもあります。
MKの入社試験で闘ったとき、勝ったのはジェイでした。
でもチャ代表はハヌル(後のカマキリ)がジェイに配慮して闘っていると見抜いていました。
「ジェイがハヌルに勝つことは”絶対に”ない」
そして、ハヌルを入社させ、トッコに「こいつを両手使いに育ててみろ。お前の攻撃スタイルと合いそうだ」と預けます。ハヌルはトッコの指導によって両手使いとなり、カマキリと呼ばれるように。
ハヌルとの闘いに勝ったのにMK社員に選ばれなかったジェイは、怒ってそのままMKを出ていきました。
「MKの再建にカマキリは必要だ。でもジェイはいらない」というトッコ爺に納得がいかないカマキリは自分もMKを出て、ジェイと新しい会社を作ろうとします。
MKに所属していれば、いい仕事があるし、苦労せずに済む。それでもジェイと一緒にいたいカマキリ。
ところがジェイは自分の力を信じていて、上昇志向が強い女性。
カマキリが自分に対して上から目線で接してくることが許せないし、自分のそばにカマキリという有能な存在があることに腹が立ってきます。
トッコに言われた言葉が彼女は忘れられません。
「MKを出たら、ハヌルには近づくな。越えられない壁なら見ない方が楽だ」
ジェイは再びカマキリに対して決闘を申し込みます。
勝つジェイ、負けるカマキリ。
「随分強くなったな」と手を差し出すカマキリ。
もうジェイにはわかっています。カマキリはわざと自分に負けている…。
それでも気づかない振りをしてその手を握るかどうか、ジェイは一瞬迷います。
自分がどれほど努力しても、人は常にカマキリを選ぶ。
カマキリが自分のそばから離れないのは自分に対する同情から。彼とは対等の関係になれない。
カマキリとは違う道を歩む決心をするジェイはその手を握らずに去っていきます。
(この後、なかなか斬新なシチュエーションの決闘があるけど省略。100%満足したわけじゃないから。)
カマキリは”絶対に”負けない。
「”絶対”というものがどういうものか見せてやる」
そう言って、カマキリは覚醒します。
トッコ爺を見下ろすカマキリ。
トッコ爺は涙を流します。
昔、その前にひざまずくしかなかったチャ代表。
カマキリの姿が今まさにチャ代表の姿に重なって見えます。
どうしても敵わない、絶対的な存在として。。。
はぁ~~、どんだけかっこいいんでしょ。覚醒したカマキリ!
覚醒と同時に画面に後光が射します。わかりやすい演出だ。。。
彼女への愛が彼の弱点だったわけです。彼女を手離すことで違う景色が見えてきます。
(ボクスンを愛しているのが唯一の弱点だったチャ代表と似ています。)
出演者の紹介を。
カマキリはイム・シワン、ジェイはパク・ギュヨン、トッコ爺はチョ・ウジン。文句なしの配役です。
おもしろかったのは、キラーゲーム制作会社社長のチェ・ヒョヌク(↓)!
もう何度も言ってますが、俳優としての彼には一目置いています。ただこの世間をなめたような芝居は素に近い気がして私の中では危険人物を示すアラームが鳴っています。でも存在がとてもユニークでその魅力に惹きつけられました。
大きな役ではないけど、「愛の不時着」のユ・スビン(↓)もおもしろい役者だなと思います。卑屈な人物を演じさせたらいい味出します。湧き出て来る破壊力もハンパないです。
「キル・ボクスン」と「カマキリ」の両方に登場する人物は、MK本社の受付の男性! アン・ソンボンとおっしゃる俳優さんだそうです。「위에서 기다리고 계십니다(上でお待ちです)」出番は一瞬でも、この方 目立ってますよね。
それと、MK重鎮の一人ペ代表を演じるキム・ジュンベ。
他にも重なってる俳優がいると思うのですが、私が気づいたのはお二人だけです。
あっ、そうだ。ク・ギョファン、イ・ソム、キム・ソンオが、お亡くなりになったお顔だけ映りました。^^;
そして…、
これはもういろいろなところで言われてるのでネタバレにはならないと思うのですが、チャ代表を演じたソル・ギョングの他に、もちろんキル・ボクスンも登場します。
ぜひこの続編を作ってほしいな。(できればビョン・ソンヒョン監督の手で)
MKはジェイの手に渡りそうだし、MK最強キラーのボクスンが黙ってるはずがありません。
ジェイとの関係はすでに吹っ切れたとは言っても、ジェイに何かあると再びカマキリが出てくるでしょう。
ボクスン×カマキリの一騎打ち。絶対的な存在である二人の闘いはぜひ観たい。
↑本人は嫌がっていましたが、トカゲはカマキリを喰うので長い剣を武器にするジェイは「トカゲ」と呼ばれていました。でも、実はでかいカマキリはトカゲを喰うのですよ。この二人の今後にも注目したいですね。

そして、カマキリ好きな私としては、もっとカマキリっぽく鎌を振ってほしい!
時々ポーズを決めるだけでなく、カマキリな動きを取り入れたアクションを熱望します!
この映画の素材は最高です。シリーズ化されて、爬虫類や昆虫を次々に登場させてくれたら私は泣いて喜びます。^^
by choyon
| 2026-03-01 10:39
| 韓国映画(鑑賞順)
|
Comments(0)









