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ソンサンー弔いの丘ー

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具合が悪い時ほど、観るのがしんどそうな作品を選んでしまいます。
作品と一緒に落ち込んでしまいたいのです。明るい作品を観て頑張って元気な振りをするよりは、そっちの方が精神的に楽な気がします。
「ソンサンー弔いの丘ー」は、私のお気に入りのヨン・サンホの企画、脚本で、「新 感染」の助監督だったミン・ホンナムが監督をしています。ポスターも暗くて怨念とか呪詛とか恐ろしいものが登場しそうな雰囲気。それに敢えて挑戦しました。

出演メンバーが豪華です。
主人公ユン・ソハ役は「地獄が呼んでいる」での大活躍が光っていたキム・ヒョンジュ。
私は「JUNGーE ジョンイ」と「地獄が呼んでいる」シリーズで初めて彼女を認識したのですが、この女優はやっぱりすごい演技力の持ち主ですね。感情表現がとても上手いし、激昂したときの迫力もあって、「地獄が呼んでいる」でのソドのリーダー、ミン・ヘジュンとはまったく別の顔を見せてくれます。

事件を追う刑事チェ・ソンジュン刑事役は最近脇役で見ることが多かったパク・ヒスン。Disney+の「二度目の裁判」というドラマは準主役のようですが未見です。
その他、パク・ソンフンやヒョン・ボンシク、ユ・スンモクなども出ているのですが、視聴の決め手となったのは次の二人。

まずソハの義弟である不気味な男を演じるリュ・ギョンス!
先日も「未知のソウル」というドラマで見かけて、摩訶不思議な演技を堪能しました。実は最近観た「ヤダン」という映画にも親が有力者で世の中を舐めている麻薬中毒者という嫌な役で出ていました。
どんな役も演じられるのですが、個性の強い役が多い俳優です。おもしろい存在感があるので彼が出ている作品は観たくなります。

もうひとつの決め手は、大好きなパク・ビョンウンが出ていたこと。
パク・ヒスン演じるチェ・ソンジュン刑事の後輩なのですが、事情があって今は彼の上司であるパク・サンミン班長の役。これは最高に演じ甲斐のある久々の大役だと思います。
サンミンは上司であってもソンジュン刑事のように仕事ができないのです。捜査はいつもソンジュンの指示によって動き、報告書もソンジュンが書いているのですが、サンミン班長の名前で提出され、手柄はいつもサンミン班長に。
サンミン班長にしてみれば、先輩であるソンジュンの行動が余計に自分のことを「無能」と言っているようでイラつきます。サンミン班長は足が不自由でいつも杖をついています。そこに2人の関係がねじれてしまった原因があるのです。この複雑な立場の男を見事に演じるパク・ビョンウンに痺れました。


出演陣は言うことないほどすばらしかったのですが、これは私が一番苦手とすることがテーマになっていて、残念ながらあまりドラマとしての評価は高くないです。過去のヨン・サンホ作品でハズれたと感じたことはなかったので、自分と合わないこともあるんだと軽くショックを受けました。

【簡単なあらすじ】
大学の講師をしているユン・ソハは、会ったこともない叔父が亡くなったという知らせを受けます。
葬儀をするために叔父が暮らしていた村を訪ねたソハは、叔父が所有していた先山(ソンサン)を相続したことを聞かされます。ところがソハには異母弟がいて「自分にも相続の権利があるはずだ」と絡まれてしまいます。
狭い村で次々と起きる殺人事件。殺されたのはソハの夫をはじめ彼女の周辺人物で、彼女は「犯人は異母弟に違いない。そして次は自分も殺される」と思います。ソハが先山を相続することにすべての原因があるようだと睨んだ刑事たちは、先山にある秘密を探ろうとするのですが・・・。



本当に嫌な事件で、気分が悪くなるほど不快でした。
韓国の田舎という狭いコミュニティの中で起きたこととは言え、あり得ない設定だと思いました。
こういう気持ち悪さに比べれば、まだゾンビが追いかけてきたり、地獄の使者がどうのこうのとやっている方がずっとマシです。^^;

ヨン・サンホらしい悪霊を祓うシャーマンの儀式シーンはありましたが、今回は「シャーマンの洗脳はよくあること。洗脳されている自覚が本人にない。宗教と結びついた洗脳には警戒すべき。他のどんな洗脳パターンよりひどい」というメッセージが込められていました。

二人の刑事の関係改善に向けてのエピソードはストーリーの本筋とは関係ないのですが、強いて言えば「父親というのは子供にとっていい存在とは限らない」というメッセージ繋がりでしょうか。そのシーンはとても胸を打ったので、このドラマを観てしまったことは、それで納得し忘れたいと思います。



ところで、「先山」というのはその地にある山の名前だと思っていたのですが、AIによると「祖先の墓地がある山」を意味するそうです。韓国では伝統的に亡くなった人を山に埋葬することが一般的でしたが、近年では火葬も増加しているとのことでした。だから副題が「弔いの丘」なんですね。

先山を相続するというのがどれほど重い意味を持つのか、日本人には少しわかりにくいです。
オープニングで古い写真とともに「家系図」が映り、血縁というのは永遠に続いていくのだと言われているようでゾッとしました。
そしてドラマの中に出てきたセリフ・・・
「彼女は闇が深そう。家族関係も複雑みたい。悪いことが起きるのには訳があるのよ。不幸な家に生まれたのも運命でしょ」
自分は裕福な家に生まれたからなんでも自分の思い通りになるという特権意識があります。
こういう考え方が根っこにある社会が心底恐ろしいと感じました。



by choyon | 2026-01-24 13:56 |  韓国ドラマ(鑑賞順) | Comments(0)

推しは周杰倫、五月天の阿信。新たな推しは許光漢!(推しはたくさんいた方がいい。^^)すべてネタバレあり。独断と偏見に満ちた自己満ブログです。


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