2020年 09月 16日
赤い月 青い太陽

児童虐待をテーマにした社会派ドラマで、普段はこういうドラマはほとんど見ません。
見続けたのは、主演俳優が、キム・ソナとイ・イギョンだったからです。
キムソナはこの作品で、2018年のMBC演技大賞最優秀演技賞を受賞しています。
最近は、顏がたいへんなことになってしまって、それで話題になることが多いキムソナですが、このドラマはよかったです。顔も全然許容範囲内。化粧のせいで余計にサイボーグみたいになってるだけで、このドラマの程度ならまだまだ女優としてやれるんじゃないでしょうか。
演技はすばらしかったと思います。笑顔はほとんどなくて、とても静かで、苦悩に満ちて、それでも自分の目の前のことに淡々と立ち向かう女性。何度か爆発する瞬間もあって、この女性の抱える何か大きな苦しみも感じさせてくれました。
演技に深みのあるいい女優だと思います。
イ・イギョンは、意識したのは「ウラチャチャ」なので、つい最近です。あのドラマは売れない俳優の役で、少しずつ役がついて売れっ子になっていく過程が描かれているコメディです。まさにドラマを地で行っていると思ったのですが、2014年の映画「パイレーツ」でいい役で出てましたよ。結局は、こちらが気づくかどうかの問題です。このドラマの役も脇役時代の何でも演じられる器用さが認められての抜擢だったのでしょう。弱い部分もあるけど、自分が正しいと思うことにまっすぐに突き進む刑事の役はとても見応えがありました。
ネタバレあり
児童センターで相談員として働くウギョンは、ある日高速道路に飛び出してきた子どもを車で轢いてしまいます。彼女が轢いた子は緑色の服を着た女の子。それなのに死亡したのはなぜか男の子。子どもを死なせてしまった罪悪感に苦しむウギョン。そしてその日から彼女の前に緑色の服を着た少女がたびたび現れるようになります。この少女は一体誰なのか?自分とどういう関係があるのか?
死亡した男の子の身元がわからず、カン刑事に協力を仰ぎ必死で親を探すウギョン。やっとの思いで見つけた母親は育児放棄が疑われました。カン刑事は別の児童虐待事件の加害者が出所してすぐ殺された事件を追っていましたが不審な点ばかりです。そのうえ、ウギョンが見つけた母親も死体で見つかり、事件にある共通点があることに気づきます・・・。
恐ろしい話です。日本でも親の虐待による子どもの死亡のニュースがひっきりなしに伝えられています。今も、日本のあちこちで苦しむ子どもはたくさんいるのでしょう。
少しでも虐待を早期発見できるように関係施設の職員はがんばっているのだと思いますが、家というのは密室なので、発見が遅れることも多々あります。胸が痛くなるような辛いシーンもたくさんありました。
虐待する親の役でペク・ヒョンジンが出てきます。食犬卸業をやっている男で、ほんとクソみたいな男なんです。あまりにもリアルすぎて演技とは思えなくなりました。こんな男が生きてること自体が許せないと思いました。誰かこいつを殺して!とさえ思いました。現実とドラマの区別がつかなくなり、頭に血が上りました。
でも、人は人を裁くことはできません。裁けるのは法だけです。法治国家に生きる以上、その原則は崩せません。たとえ子を虐待する親に対する社会的制裁が軽すぎたとしても、周りの大人たちは、傷ついた子どもを救う方法を考えてあげるしか手立てはありません。
ウギョンの前にたびたび現れる緑の服を着た少女が誰なのかは最後の最後に謎が解けます。
親によって記憶すらも書き換えられながら、心の奥底で、少女を救えなかった激しい後悔を引きずりながら生きてきたことが明かされます。苦しみは癒えたわけではなく更なる苦しみが生まれただけだったのかもしれないけれど、ウギョンのような人が、きっと大勢の子どもを救ってくれるだろうと祈りたいです。
by choyon
| 2020-09-16 10:28
| 韓国ドラマ(鑑賞順)
|
Comments(0)

