人気ブログランキング | 話題のタグを見る
NEW POST

アシュラ

アシュラ_f0046308_13013266.jpg
見る度に途中で完走を断念してしまっていた2016年のキム・ソンス監督作品「アシュラ」を最後まで鑑賞しました。
途中挫折した理由はもちろん、情け容赦ない暴力シーンのせいです。
韓国ノワール映画においては、暴力シーンはどれも容赦ない感じがしますが、特にこの映画はひどいです。あまりにもひどすぎて、自分の心が耐えきれません。
ここまでの残虐なシーンは他の国には撮れないでしょう。たとえば日本でこういう映画を撮っても、どこかで「これはフィクションです。これは映画です」的な緩さが残ってると思うんだけど、韓国映画はそれを許さないです。リアルすぎて救いがない感じです。

キム・ソンス監督というのは、2001年にチョン・ウソンの「MUSA-武士-」を撮ったかと思えば、イ・ナヨンの「英語完全制服」を撮ったりして、何だかよくわからない監督なんです。しばらくいないなと思ったら2013年に「감기」を撮って注目され、そして2016年に「アシュラ」でしょ。撮りたい分野が固定してない、カラーが固定していない人だなという印象です。



ネタバレあり

韓国の架空の都市が舞台です。そこには金と暴力で権力を手にした悪徳市長(ファン・ジョンミン)が私利私欲のためにあらゆる犯罪に手を染めて都市を牛耳っていました。市長の腹違いの妹は末期がんで入院中、その妹の夫の刑事ドギュン(チョン・ウソン)は、治療費を払ってもらっているので、市長の悪事に手を貸すしかありませんでした。
ある事件をきっかけに検察(クァク・ドウォン)に弱みを握られたドギュンは、市長と検察の生き残りをかけた抗争に巻き込まれていきます。

すばらしかったのは、やはりファン・ジョンミン。
この俳優の迫真の演技には誰も敵わないです。優しく穏やかな善人から、表も裏も真っ黒なおそろしい悪人まで、彼が演じられない役ってあるのかな? もちろん好みの問題はあると思います。うますぎて好きじゃないという意見もよくわかります。名優ソン・ガンホは演じる人物像に血が通ってる感じがするけど、ファン・ジョンミンはどうですかね?驚異の演技力にただ呆然としながら見てしまうという感じでしょうか。あまりにもすごすぎて、見てる方がちょっとビビッてしまうこともあります。でも「新しき世界」も「アシュラ」も彼の演技が映画の評価を高めたと言っても過言ではないでしょう。

この名演に、チョン・ウソンとクァク・ドウォンが負けじと付いていきます。これまたすごい迫力。
チョン・ウソンは九尾狐のときからずっと見続けてきたけど、いろいろな役をこなしてこんなに存在感がある俳優になったんだな~と改めて感動しました。今まで見たチョン・ウソンの中でもこれは一番うまいと思いました。

弟分の刑事役でチュ・ジフンが出演していて、映画の大事な役目
を担っています。周りがすごい俳優に囲まれてるので、気迫で負けてるかなと思ったけど、2回目を観たら、彼がいい味を出してるんです。この役がもしかしたら一番難しい役だったのかもしれません。チュ・ジフン、10年後がほんとに楽しみです。

映画はとにかく地獄です。
ストーリーとは関係なく、最初から最後まで「地獄を見ました」です。
救いようのない絶望的な話ではあるけれど、まったく妥協することなく、この世における地獄を徹底的にリアルに撮り切ったということを私は評価したいと思います。
特に画面の光の当たり方がすばらしいです。撮影監督の腕がいいのか、照明の腕がいいのか、こんなに画面が美しい映画を初めて見ました。陰影のつくり方が独特なんです。
それから、カーチェイスも何か特殊な撮影方法で撮ったのか、臨場感あふれていて驚きました。
これはハリウッド技術なんでしょうか。今までの韓国映画になかった撮影技法だと思います。

血の海の中で、「Satan Your Kingdom Must Come Down」という曲が流れます。
そしてドギュンの言葉・・・

이렇게 될 줄 알았어요
알면서도
어쩔수가 없네요

こうなるのはわかってた
わかっていても どうしようもねえ

この「どうしようも
ねえ」の前に、ドギュンが「フッ」って鼻で笑うんです。
そこで泣けました・・・・。TT

この映画の描く世界なんて私とは無関係だけれど、
どんな世界の中で生きても、人間の最後の言葉は
「어쩔수가 없네요」だと思います。
それしか言いようがない、人の世は。





まったく違う話なんだけど、、、
若い時に勤めていた職場に、敬虔なクリスチャンで、お子さんが5人もいて、誰からも信頼される真面目な方がいました。
その人が、飲み会で私の前に座ってたんですが、酔っ払っていきなりコップを食べだしたんです。。
びっくりした! びっくりして、悲鳴をあげてその場から逃げた!
自分の目の前で繰り広げられた光景があり得なくて、怖くて。。。
口の中が切れて、血が出てるのを、その人はおしぼりで顔色ひとつ変えずに拭いてました。
もう絶対にこの人は死ぬ、胃にコップのかけらで穴が開いて、明日には死んでるに違いないと思いました。
あれは何だったのか未だに意味不明です。
Eさん、今でも生きてるだろうか。。。

ドギュンを見て、そのことを思い出しました。
この映画を見た人ならわかってもらえると思うけど。


by choyon | 2020-09-05 14:10 |  韓国映画(鑑賞順) | Comments(0)

推しは周杰倫、五月天の阿信。新たな推しは許光漢!(推しはたくさんいた方がいい。^^)すべてネタバレあり。独断と偏見に満ちた自己満ブログです。


by choyon
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30