2019年 12月 30日
メソッド

Netflixで12月から公開になっていて、「椿の花咲く頃」の2回目を観終わったら観たいなと思っていた「メソッド」という映画。
パク・ソンウン主演だし、なんだか怪しいスチール写真。これはBL映画なのか?
ところが単なるBL映画じゃないんですよ。俳優が他人を演じるということがどういうことなのか、その神髄に迫るような、芝居好きにはたまらない魅力に溢れた映画でした。
ネタバレあり
パク・ソンウン演じるジェハという俳優はメソッド演技法というのを勉強していて、より自然でリアリティのある演技ができる俳優として活躍しています。
今回の舞台は、事故でステージに立てなくなったアイドルスター、ヨンウの復帰第一作。しかもヨンウには演技経験がありません。
アイドルの奢りか、本読みもせず、時間にルーズで、まったくやる気のないヨンウに怒り心頭のジェハは、本気の演技がどういうものかをヨンウに突きつけます。
それがヨンウの心に刺さり、ヨンウはジェハという俳優と、彼が信奉しているメソッド演技法にのめり込んでいきます。
ここでメソッド演技法がなんたるかを説明しなくちゃいけませんね。
「1940年代にニューヨークの演劇で確立・体系化された演技法・演劇理論。役柄の内面に注目し、感情を追体験することなどによって、より自然でリアリステックな演技・表現を行うことに特徴がある。」
「メソッド演技の特徴としては、担当する役柄や劇中での状況やその感情に応じて、より自然な形で演技を行う点である。そのため、演技をする過程においては、担当する役柄について徹底的なリサーチを行い、劇中で役柄に生じる感情や状況については、自身の経験や役柄がおかれた状況を擬似的に追体験する事によって、演技プランを練っていく。 」(一部抜粋 Wikiより)
俄然やる気になったヨンウは芝居の稽古を通じてジェハにどんどん近づいてきます。
アイドルスターとして多くの人を虜にさせてきたヨンウのカリスマ性は突出したものでした。
その魅力にジェハの心は乱れます。
「お前はゲイなのか?」
「違うよ。ただヒョンが好きなんだ」
ジェハはヨンウに夢中になり、現実の世界でヨンウを愛し始めます。
ヨンウはジェハの私生活にも入り込んできます。
ジェハの彼女に嫉妬し、二人の仲を裂こうとします。
マスコミにヨンウとの怪しい関係が漏れ、ジェハは焦ります。
八方塞がりになっていくジェハ。
そんな混沌とした状況の中、幕が開きます。
舞台上には囚われた二人。
「お前はおれを愛してるんだろ」
「僕はヒョンの助けを待ってた」
「ほんとうにおれを愛してるのか」
「まだ疑ってるの?僕が愛してるのはヒョンだけだ。
僕たちはここから出られない」
流れはまさに二人の現実。
ジェハの芝居はもはや芝居とは言えないものになっていきます。
そしてリアリティを追求するあまり、ヨンウは予期せぬ行動に出ます。
命を掛けた芝居はクライマックスへ・・・。
暗転
「僕は完璧に演じた」と満足そうな笑みを浮かべるヨンウと、茫然自失のジェハ。
割れんばかりの拍手を受ける二人。
それぞれの現実へ戻っていき、舞台の照明が落ちる。。
これ、1ヶ月のロングラン公演みたいなんですけど、初日でこんだけ生きるか死ぬかのヘトヘトリアル体験しちゃって、体力気力が保てるんでしょうか?^^;
パク・ソンウンという超一流の俳優が演じているから余計にリアリティがありました。頭のどこかで演じている自分を認識していないと、虚構の世界に引きずり込まれる怖さというのが俳優にはつきまとうのでしょう。
「メソッド演技法」は現実と虚構の垣根を取っ払ってしまう危険性がありますね。疑似体験もほどほどにしないとね。
ユチョンなんかは疑似体験などしなくても、本能的に様々な人物に憑依できる才能があると思ってますよ。けっこう理屈っぽいところもあって、演技するときに考え込む性格だと語っていたけれど、メイキングなんか見ると、あれは「瞬時に行って、瞬時に帰ってきてる」んだと思えます。
「メソッド演技法」は現実と虚構の垣根を取っ払ってしまう危険性がありますね。疑似体験もほどほどにしないとね。
ユチョンなんかは疑似体験などしなくても、本能的に様々な人物に憑依できる才能があると思ってますよ。けっこう理屈っぽいところもあって、演技するときに考え込む性格だと語っていたけれど、メイキングなんか見ると、あれは「瞬時に行って、瞬時に帰ってきてる」んだと思えます。
事件を起こしてTVや映画の世界にはすぐには戻れないことはわかってるんだから、ヨンウのように小劇場で一から芝居の勉強させてもらえばいいのに・・・。いや、身勝手な願望を押し付けちゃダメですね。
→俳優よりも歌の世界で残ったファンを囲って稼ぐことを選択したみたいですね。期待してたんですが、残念です。
ヨンウを演じたオ・スンフンはオーディションで選ばれた新人俳優です。
パク・ソンウンによくついていったなと感心しますが、車での最後のシーンは微妙。
あの表情で、この映画の解釈はどうにでもなります。
「メソッド」は「メソッド」に過ぎなかったのか、「メソッド」のつもりが心に揺れが生じたのか・・・。
映画的なおもしろさは後者だと思うけれど、私はこのアイドルスターの冷たさが心に引っかかっています。自分のカリスマ性が人を惹きつけて離さないことを一番理解しているのは本人なんです。
人の心を操ってもて遊ぶ感覚が身についてる人間、しかも演技のおもしろさにのめり込んでいる人間が、もし揺れがあったとしても、自分の心の奥底の小さな揺れに気づくとは思えません。
そこまで考えると、何かを忘れてきたようなラストの微妙な表情すらも意味があるような気がしてきます。
ヨンウを演じたオ・スンフンはオーディションで選ばれた新人俳優です。
パク・ソンウンによくついていったなと感心しますが、車での最後のシーンは微妙。
あの表情で、この映画の解釈はどうにでもなります。
「メソッド」は「メソッド」に過ぎなかったのか、「メソッド」のつもりが心に揺れが生じたのか・・・。
映画的なおもしろさは後者だと思うけれど、私はこのアイドルスターの冷たさが心に引っかかっています。自分のカリスマ性が人を惹きつけて離さないことを一番理解しているのは本人なんです。
人の心を操ってもて遊ぶ感覚が身についてる人間、しかも演技のおもしろさにのめり込んでいる人間が、もし揺れがあったとしても、自分の心の奥底の小さな揺れに気づくとは思えません。
そこまで考えると、何かを忘れてきたようなラストの微妙な表情すらも意味があるような気がしてきます。
今年最後にいい映画を観ることができてよかったです。
これで本当に今年は締めます。まだまったく掃除してないし。アハッ。
超跑女神を聴きながら、年明けまでのラスト1日をガンガン飛ばしたいと思います。
それでは改めてよいお年を。
by choyon
| 2019-12-30 10:40
| 韓国映画(鑑賞順)
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