2009年 05月 17日
ミスにんじん
胸に痛い映画でした。主人公は明らかに精神障害のある女性ですから。
1回目見たときは、とてもこれは笑えないと思ったんですが、ついついもう一回見てしまいました。
1回目と2回目では印象がまったく違いました。
2度見ると、こちらにも少し精神的なゆとりができたせいか、Hなセリフのギャグにも笑うことができました。
セリフ回しはとてもおもしろいと思います。
主人公が病気であるということには変わりがないけれど、生まれてから愛を受けたことがない女性が、ある人が自分の存在に気づいてくれたというだけで、それが愛だと勘違いして、必死に相手を求めていく・・・その姿にだんだんと哀れみ以上のものを感じてしまいます。
相手を追って同じ学校に勤めるようになるまでにも、ものすごい努力をしたはずです。
相手と同僚の関係を壊すために、夜も寝ないで食事もまともにとらないで一日中それに全エネルギーを費やしてるし、そんな中で早朝から英会話教室にも通ってるし(ポン・ジュノ監督がいきなり出てきて爆笑)、とにかくいくら病気とはいえ、並みの努力じゃないですよ。
2度目見たときには「この世が平等だと思うな。我々のような人間は人よりもっと必死に生きなければ。」という冒頭のメッセージにも素直にうなずけました。
孤児で、いじめられっ子で、赤面症で、ブスで・・・。負の部分を一身に抱えているような女性なんです。
人との接し方がわからなかったり、自分勝手だったり、妄想がひどかったりするの姿は見てて辛くなるんですが、そうなってしまうのも当たり前かなと思うほど不幸のテンコ盛り。
その女性が、同じように孤独な少女とお互いを癒しあう関係になり、精神分析を受けて(視聴覚教室での彼の妻は精神科医の役割ですね。)自分の哀しみと正面から向き合うことで、「希望」を持てるようになる姿を見て、なんだか自分まで勇気づけられるようでした。
映画自体はドタバタコメディーっぽく作られてるけど、なかなか奥が深いですよ、この映画。見る人によって評価は極端に分かれるでしょう。
映画の中に「ゴドーを待ちながら」という戯曲が取り入れられてます。
私もあらすじは知ってるんですが、残念ながら未見の芝居です。
緒方拳が演じたときに見とけば良かったなーと後悔してます。
石を投げられ、見下され、無視され・・・。
そんな周りの人間は時と共に移り変わっていきます。
それに付き合ってはいられません。
次のセリフを読み上げるときの、二人のポーズがすごくいいんです。
「여러 가지로 고마웠소」
「저야말로 고맙습니다」
「천만에」
「아니,정말 고맙습니다」
「무슨 말씀을」
「아니,정말 고맙습니다」
「원, 별소릴 다하는군」
「그런데....이제 떠날 마음이 안 나는데?」
「그게 인생이죠」
「그래도 고맙습니다」
大切なのは痛みを分かち合う仲間。
自分の重さを預けられる仲間。
投げられた石も、仲間と共にあれば、自分たちを賞賛しているように受け止められる。
そんな人との関係から生まれてくるのが「希望」…。
それは待っても待っても叶えられることはないかもしれません。
待っても待ってもゴドーが来なかったように。
その正体さえもつかめないのかもしれません。
ゴドーが何者なのか、二人はそれさえも知らなかったように。
それでも、「友と待つ」ということが人生の幸せに繋がるのでしょう。
でも、さすがにこの女性。ただ単に待つだけじゃすみませんよ。
二人の新たな「希望」の対象となってしまった、あの皮膚科の医者にはほんとに同情します…。^^;
新型インフル
東京でも出たから、気をつけて!
東京でも出たから、気をつけて!
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by choyon
| 2009-05-17 11:21
| 韓国映画(鑑賞順)
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Comments(1)

